ソウルと釜山の市長選では「与党大敗、野党圧勝」


韓国の首都ソウルと第2都市釜山(プサン)の両市長選は4月7日に投開票が行われ、文在寅(ムン・ジェイン)政権を支える与党の「共に民主党」が大敗し、最大野党の「国民の力」が圧勝した。


写真=EPA/時事通信フォト
ソウル市長選で勝利し、当選を祝う呉世勲候補=2021年4月8日


両市長選は韓国を代表する2都市のトップを決める選挙だけに、来年3月の大統領選の前哨戦に位置付けられていた。これで大統領選でも与党の敗色が濃くなった。


文在寅氏は8日、両市長選について「惨敗という国民の叱責を重く受け止めたい。今後も姿勢を低くし、さらに強い責任感を持ちながら韓国国政の舵取りを続けていく覚悟だ」という内容のコメントを公表した。


しかしながら、すでに文在寅政権は外交力を失っている。これは4月10日付の記事<「北朝鮮の核武装と中国の台頭」2つの難題を一挙に解決できる“たったひとつの方法”>でも指摘した。内政面においても、これ以上文在寅氏が大統領を続けることは、韓国国民にとってマイナスしかない。


国民の信頼を失った文在寅氏は、大統領を続けるべきではない。人の上に立つ者には引き際が肝心である。


補欠選挙の理由はどちらも前市長のセクハラ


今回の両市長選は、党所属の前市長がともにセクハラが原因で自殺や辞任したことに伴う補欠選挙だった。それだけに有権者の関心は高く、投票率はいずれも50%を超えた。


韓国の中央選挙管理委員会の最終集計結果によると、ソウルでは「国民の力」候補の呉世勲(オ・セフン)元ソウル市長(60)が279万878票(得票率57.50%)を獲得し、対抗馬の「共に民主党」の女性候補、朴映宣(パク・ヨンソン)前中小ベンチャー企業相(61)は190万7336票(得票率39.18%)だった。投票率は58.2%だった。


一方、釜山では李明博(イ・ミョンバク)大統領時代に高官を務めた「国民の力」の朴亨(パク・ヒョン)ジュン氏(61)が、96万1576票(得票率62.67%)を獲得。文在寅政権の元閣僚で「共に民主党」の金栄春(キム・ヨンチュン)氏(59)は、52万8135票(得票率34.42%)と低迷した。投票率は52.7%だった。


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